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馬込鍼灸整骨院、古谷です。
今回は「ストレートネック(スマホ首)」についてブログを書きました。
1.概要
ストレートネックは頸椎の正常な前湾カーブ(生理的湾曲は20°の前湾の前方凸型)を失っている状態。
前湾カーブが消失する原因には、胸椎の過後湾(生理的湾曲は20°~40°の後方凸型)がある。胸椎の後湾が増強すると頭部は前方位になり、頸椎の中下部は屈曲し、生理的湾曲を失って後湾カーブとなる。目線を前に保つために上部頸椎のみが伸展位となり、顎が突き出た姿勢になることが特徴。
2.頭部前方位で固くなる筋肉
頭部前方位では、頸椎上部が過伸展することで頸部上部を伸展させる筋肉(後頭下筋群)が慢性的に緊張状態になりやすい。
後頭下筋群とは...
後頭部の深層に位置する小さな筋肉の総称で4つ存在する。
頭部伸展の運動範囲は0°~25°。頸椎との複合伸展では45°まで動く。
頭部の微妙な動きを実現している。ピント、眼球運動、瞼の動きをコントロールする。
・大後頭直筋
(起始→停止)軸椎の棘突起→後頭骨の下項線の外側部
(支配神経)脊髄神経後枝
(血液供給)後頭動脈
(働き)脊椎と頭部の働きを助ける
・小後頭直筋
(起始→停止)環椎後弓結節→後頭骨下項線内側部及び大後頭孔との間の面
(支配神経)後頭下神経
(血液供給)椎骨動脈及び後頭動脈の深下行枝
(働き)脊柱の動きを助ける
・上頭斜筋
(起始→停止)環椎の横突起の上面→上項線との間の後頭骨
(支配神経)脊髄神経(後頭下神経)の後枝
(血液供給)椎骨動脈及び後頭動脈の深下行枝
(働き)脊柱と頭部の動きを助ける。動きよりも姿勢保持に関与。
・下頭斜筋
(起始→停止)軸椎の棘突起の先端→環椎横突起の下方背面部
(支配神経)脊髄神経(後頭下神経)の後枝
(血液供給)椎骨動脈及び後頭動脈の深下行枝
(働き)脊柱と頭部の働きを助ける
3.舌骨下筋群の運動貢献度(頸部屈曲)
1位・斜角筋群 2位・舌骨下筋群 3位・椎前筋群
ストレートネックになると拮抗筋である頸椎上部を屈曲させる筋肉(舌骨下筋群)は弱化していく。
舌骨下筋群とは...
舌骨より下方にあり、胸骨・肩甲骨・甲状軟骨などの間にある筋肉の総称で4つ存在する。
甲状軟骨の引き上げや舌骨の引き下げにより、それぞれ嚥下や開口に寄与します。
・甲状舌骨筋
(起始→停止)甲状軟骨側面の斜線→舌骨体下線及び舌骨大角
(支配神経)舌骨神経
(血液供給)上甲状腺動脈
(働き)物を飲み込む、発声に関わる
・胸骨甲状筋
(起始→停止)胸骨後面→甲状軟骨翼側の斜線
(支配神経)頸神経ワナ
(血液供給)上甲状腺動脈
(働き)物を飲み込む
・胸骨舌骨筋
(起始→停止)胸骨後面・鎖骨内端及び後胸鎖靭帯→舌骨下縁
(神経支配)頸神経ワナ
(血液供給)上甲状腺動脈
(働き)物を飲み込む、発声に関わる
・肩甲舌骨筋
(起始→停止)肩甲骨上縁→舌骨体下縁
(支配神経)脊髄神経の枝
(血液供給)舌骨下動脈・舌骨動脈、浅頸動脈
(働き)物を飲み込む、発声に関与する
4.ストレッチ方法(舌骨下筋群)
ステップ1
①右手で顎を後上方に押し込むように力を加えます。
②反対の手で右肘に当て垂直に引き上げます。
ステップ2
①右手を左側頭部に引っかけて頸椎を側屈方向に誘導していく。左手は胸の前に当て、下に軽く引き下げます。
②その状態から頸椎を伸展させていく。
5.筋力トレーニング(舌骨下筋群)
①ベッドに仰向けになり、頭部をベッドの端から落とします。
②その状態から頭部を屈曲させて頭部を持ち上げます。
6.ストレートネック修正体操
問題点は、1頸椎中下部の屈曲位 2頸椎上部の過伸展位
ステップ1
①タオルを頸椎中部に引っかける。
②タオルを前方に引いて前湾をつくる。
③頸椎中下部を伸展させていく。
ステップ2
①タオルを頸椎中部に引っかける。
②タオルを前方に引いて前湾をつくる。
③頸椎上部を屈曲させて顎を引く。
ステップ3
胸椎の過度な後湾を修正するためには、胸椎を伸展させる運動が必要。
①背もたれのある椅子に腰をかける。
②腕をバンザイしながら胸椎を伸展させていく。広背筋や小胸筋が硬いケースでも胸椎後湾を強めることに繋がります。その際は、その部分もストレッチをする必要がある。
7.最後に
ストレートネックや胸椎過後湾の修正方法は、あくまでも問題に対してのアプローチに過ぎない。それよりも重要なのは、どうして不良姿勢になったのかであり、その最大の原因は普段の姿勢にあります。もう一度姿勢を見直す必要があります。
2022.9.15