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物体が安定するために必要なことは、
①支持基底面が広い
②重心線が支持基底面の中央にある
③重心が低い
片脚立位になると支持基底面が立脚側の足底のみになり極端に狭くなってしまう。
また、身体の中央にあった重心線が支持基底面から外れるため、非立脚側に倒れないような働きが必要です。
体幹や下肢の筋力を用いて倒れようとする上半身をロープで引っ張るように働いたり、上半身や骨盤を立脚側に偏位させて重心をずらすなどします。
骨などに負担をかけないためには、筋肉を用いた方法が最も適している。
A.骨盤から崩れる場合
・代償がない場合(トレンデレンブルグ徴候)
骨盤から崩れるケースで、片脚立位時に骨盤を水平に保てずに非立脚側が落ちるトレンデレンブルグ徴候が見られる場合、原因は中殿筋の筋力低下があり、骨盤が傾くことで上半身は非立脚側に傾き、片脚立位が不安定となる。
・骨盤を偏位させて代償させる場合
不安定を軽減させるために、骨盤を立脚側へ偏位させて重心線を中央に戻してバランスを保つことがあります。
この方法で代償している場合は、検査者が骨盤を正中位に保持し、その状態で患者に片脚立位をとっていただくと保持が困難になる。
・腸脛靭帯で制御する場合
トレンデレンブルグ徴候において、骨盤が偏位しすぎて倒れないように制御しているのが腸脛靭帯と内腹斜筋になります。
これらの組織に頼っている場合は日常的に疲労が蓄積しており、触れると硬く、圧痛が認められる。これはいわゆるスウェイバック姿勢の状態であり、姿勢を非収縮要素(腸脛靭帯)に依存し、収縮要素(筋肉)にはあまり頼っていません。
・体幹を側屈して代償させる場合
骨盤を立脚側に偏位させずに代償する方法として、上半身を立脚側に側屈させる方法があり、これをデュシェンヌ歩行と言います。
デュシェンヌ歩行とは、大腿骨頭の上に臼蓋を乗せるようにして歩いており、中殿筋の収縮や腸脛靭帯による制御を求めない歩行のことです。ただし関節に負担をかけてしまうので脊椎や股関節の変形を招いてしまうリスクが上がります。
骨盤の変異が少なく、体幹の側方動揺が大きいケースでは、非立脚側の外腹斜筋が機能不全を起こしている可能性が高いです。
B.膝関節から崩れる場合
・変形性膝関節
膝関節は屈曲し伸展の動きが主であり、内反や外反といった側方の動き(動揺)は生じません。
変形性膝関節を生じている場合は、片脚立位時に膝関節の内反傾向が増大するラテラルスラストが起きる。
基本的に膝から崩れることはなく、前述した骨盤から崩れたり、後述する足部から連鎖的に崩れることがほとんどです。
ラテラルスラストとは、歩行時の初期接地から荷重応答期にかけて急激な膝関節の内反動揺が起こる現象のことです。
その状態が歩行を続けると膝関節内側に負担が集中し、内側の関節軟骨や半月板が摩耗していき、結果的に膝関節の内反変形を起こす。
起こさないためにも、股関節内転筋群や内側広筋の強化や膝関節伸展制限を解消してあげることが大事です。
変形性膝関節症とは、膝の関節軟骨がすり減って、大腿骨と脛骨の隙間である関節腔が狭くなった状態です。
膝関節は、大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節の総称ですが、変形性膝関節症は大腿脛骨関節の
変形を指します。
大腿脛骨関節症のほとんどは内側の軟骨が摩耗していき、いわゆるO脚が進行していきます。膝の内反変形には、歩行時の過度な膝関節外反モーメントが関与しています。
膝関節外反モーメントが生じる原因
①膝関節内転位荷重(ラテラルスラスト)
②骨盤外方位
③体幹の質量中心が外方位
④足底圧中心が外方位
これが生じると股関節の外転モーメントが増大します。
C.足関節から崩れる場合
・足関節不安定症
片脚立位をした場合に、足関節が内反方向に動揺しやすく不安定な状態となりやすいケースがあります。
このパターンが発生する原因に後脛骨筋の緊張や内反捻挫の既往があり、日常的に足底の外側に荷重が乗っています。
・上方性に膝が壊れる
足関節が内反すると上行性運動連鎖によって膝関節も内反し変形性膝関節症を発生させる原因になります。
2022.10.22